棟梁のように成りたい・・・ 私の出した答え それは “職人時代の信念” 「それで良いのか考えろ、悩め、仕事の怖さと戦え、それに打ち克てば、自ずと道は開ける。」 仕事を教わった棟梁が常日頃言っていた言葉。 戦後の混乱時代を生き抜いてきた棟梁の下での仕事。 厳しく、厳しく、それは厳しかった。 けど、今ではありがたく感謝の気持ちで一杯です。棟梁のように成りたい、それが私の原点です。 |
私は、20歳から大工の道を選びました。 30歳までは、親父の紹介してくれた工務店や、その親方の紹介してくれた建築会社や、個人の工務店で修行をしていました。 ・・・30歳の時に、私の人生を変える棟梁に出会いました。 棟梁に出会う前の約10年間の修行の中で、新築や改造の現場を任されて仕事をしたこともありました。 ですが棟梁に、 「君はもう一度基本から仕事を覚えなさい」 と言われました。 正直何故?と思いましたが、それからの棟梁は厳しかったよりも、鬼のようでした。 今までの仕事の遣り方、スタイル、考え方の全否定からはじまり、棟梁の家の用事から田・畑の手伝い、 最後には仕事の集金までしていました。 大正13年生まれの棟梁は、その当時で78歳でした。 棟梁の仕事の遣り方は、施主常用といって1日いくらかの賃金を決めて、施主さんに払って貰う方法でした。 ですから、先ずは施主さんに認めてもらわないと、仕事をさせてもらいない、その為に仕事をする時の姿勢は厳しかったです。 「足を伸ばすな。背中に壁を作れ。大股で歩くな、小股で歩け。」 様々な言葉や体験 ・・・当時はつらく厳しいものでした。 ですが、今になっては、私の財産になっています。 これからも棟梁の教えを大切に頑張っていきます。 有限会社 黒田工務店 代表 黒田 幸人 |